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essay―HANAゆうきの足跡―
●ラオで染める

ラオで染める 2001年8月17日から22日までの予定で『ラオスの染織を訪ねる旅』に出発しました。

ラオス報告として話したいことは山ほどあるわけですが、あまりにも長々と退屈させてしまいそうなので、ここでは今回の旅のメイン<ラオの染料で染める>二日間の染色実習体験に的を絞って感じたこと体験したことをまず整理しておこうと思います。

ラオで染める 5月にビエンチャンでホアイホン職業訓練センターというところに案内され、そこで働く日本人内田さんと大木さんのお二人に会いました。
折りしも5月初めから長期訓練期間が実施されているということで見学させてもらいました。
ビエンチャン周辺の県から何らかの紹介、推薦で集まった少女たちが植物染料で絹糸を染め熱心にメモをしています。
後で聞いたのですが、本当に貧しい家の少女たちがこのような訓練センターに入ることはまず無くて、県や村の役人などなんらかの情報源を持った家の少女が入ってくるのが実情らしいのです。
このような少女たちでさえ文字を書けないことやたまには年齢もはっきりしないこともあるそうです。

ラオで染める このセンターには草木染、ラオスの伝統的な織物の訓練を通して出来上がった布を展示販売したり、日本で指導を受けた人が中心となった縫製部門があり、私たちもシンというラオ式のスカートをオーダーしましたがタラ-ト(市場)でオーダーしたものより少々割高ですが、ずっと上手です。
ちなみに仕立て代はタラートでは100バーツ(約300円)、センターだと7ドルでしたが履き心地と仕立ての良さは断然違います。

ラオで染める 染や織の指導者は何人かいるようですが、特別の資格があるというわけではなく経験的に詳しく、またなによりも続けてセンターに関わってくれることが大事な事のようです。
染のほうはトンチャンという50代の女性が中心らしく近くの村から週に何日か通い、時には訓練生と同じセンターに泊まることもあるそうで、頼りになりそうなおばさんでした。

二日間の予定で染の体験実習をお願いしておきました。

一日目の午前中はラックをすりばちで細かく砕く事とココナッツの実の皮を鉈で細かく割る、このふたつの作業でほぼ半日が終わってしまいました。

私たちのために手配して頂いてた染材は
1)ラック 2)ジャックフルーツ 3〕ココナッツ 4)ソリザヤ 5)琉球藍生葉
この5種類ですが、染めるものを普段センターで使っているベトナムの絹糸と絹のスカーフ2種類、それに加えてぜひにとお願いして調達してもらったラオでひいた良質の絹糸とラオの糸で手織したスカーフ、これらをそれぞれの染料で人数分染めようというのですが、夕方までに終わるのか、不安になってきました。

ラオで染める ココナッツの実の皮を刻むのに鉈を振り上げる手元があまりにも危なげで それを見かねた織り子の少女たちが助っ人にきてくれました。
二日目の朝 私たちが到着する前に彼女たちがジャックフルーツの樹を鉈で細かく割っておいてくれたお陰でなんとか二日間の全工程をこなすことができ、彼女たちに感謝しなければなりません。

ラオで染める 一日目の作業が終わり、その日の夕食をセンターの人たちと一緒にすることになりました。

トンチャンはもちろんのこと織り子の少女たちも誘ってもらいました。
内田さんいわく、誘っては見るけどラオの女の子は恥ずかしがって多分こないだろうということだったのですが、彼女たちは喜んできてくれました。
彼女たちは朝早くから私たちがセンターに到着するのを心待ちにして、なにか手伝えることはないかと作業の様子を気にしていたらしいのです。

ラオで染める メコンの川沿いにレストランが何軒か集まっていて、ビエンチャンの中でも比較的賑やかなところかもしれません。
私たち日本人9人とセンターからは、内田さんや大木さんと言った日本人スタッフを含め7人だったでしょうか。
川の上に浮かぶレストランで飲むビアラオの味は格別です。
今回もタイのウドンターニに一泊してからノーンカーイを通ってビエンチャンに入りました。

ラオで染める ノーンカーイから見るメコンの対岸の町はビエンチャンだとずっと思い込んでいたのですが、今、ビエンチャンにいて、町のややメコン上流にあるレストランに座って眺めている対岸の明るい町はシーチェンマイだったのです。
ラオの首都ビエンチャンより対岸に見えるタイのはずれの田舎町の方がずっと明るいのです。

ラオで染める ラオのテレビから流れる歌はタイの番組です。
ラオの歌手はいなくて少女たちはタイの歌手に目を輝かせて魅入っているのです。

一日目は段取りも悪くなんと言っても薪で大きな鍋にいれた染料を煮出しては漉したりする作業を繰り返すわけですが、火の調節、効率の点からして普段日本でしている作業と比べて時間の流れが違うとは一応覚悟はしていましたが、予想以上です。
染色には大量の水が必要ですが簡単に蛇口から水洗いできる環境ではないわけで、たらいに水をためるのにも時間がかかるのです。

ラオで染める 指導者のトンチャンのやりかたが最初はつかめないので、一つ一つ細部に至るまで尋ねたりしていましたが、一日目を終わる頃には、彼女のやり方や手順がわかってきたこともあり、私たちの作業もスムーズに進みだしました。
ラオ式というかトンチャン式ののんびり待つことにも慣れて来たのでしょうか。
私自身、近頃余裕がなくなってきていたのでしょうね。
染めを楽しむことが出来た二日間でした。

次回から2回に分けて、ラオ式(トンチャン式)染織を簡単にご説明します。

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